詳細な記録
日本で起きた出来事は、日本人が最も取材能力が高いであろう。全く同様に、インドを中心として行われた活動は、インド人が取材しやすいと思われる。著者はインドの高級官僚で、職務上の接触から親交を深めたという。ショートカットを望む読者には不向き。翻訳者の方、ご苦労様です。
知られざるマザー・テレサの一面
マザー・テレサ関連本はたくさんありますが、この本はマザーが活動した国の人=インド人が書いたという点でユニークです。日本人によるマザーの本の場合、マザーの宗教的側面を極力無視して「ヒューマニストのお手本・マザー・テレサ」像を作り上げているものが一般受けしているようですが(マザー自身は「自分は福祉事業をしているのではない、信仰者として奉仕しているのだ」と、ことあるごとに強調しているにもかかわらず)、この本はヒンズー教徒インド人である著者の目から、マザーの信仰についても詳細かつ冷静に観察しています。 また、あまり取り上げられることのない、マザーの経済哲学(政府や教会からの補助金は受け取らない、こまかい会計はやらない)や、当局との関係の持ち方についても率直に書かれていて興味深いと思います。
もったいなくて少しずつ味わいながら読みました
「学校を作ろう」と決心すると、校舎などなくても地面に小枝で字を書いて子どもに教える--そんな行動力がマザー・テレサの強さなのでしょう。そして、このような意志に呼応するように、周りの人々が手助けしたり、小さな奇跡が起きたりして、計画が実行できるようになります。愛が周囲に伝染していくこともあるのでしょうが、何か神秘的な力に助けられていたような気がしてなりません。 翻訳も自然で、味わいのある文章です。 心が洗われる一冊。お勧めです。
特別なことなどしなくても
私がマザー・テレサを好きなわけは、自分を捨てたという崇高な人だからではない。その人の宗教の方法で弔ったことからわかるように、何よりも他人のやり方を尊重したからなのだ。自分のように特別なことなどしなくても、自分の生活をわざわざ崩さなくても、今の自分ができることを把握してさえいれば、そこから愛は広がっていくのだということを教えてくれた。結局、宗教のカテゴリや自分を捨てるレベルなど、単なる方法のひとつなのだ。ボランティアや宗教の意味を履き違え、自分を格好よく見せるために携わっている人も少なくないが、この本によってマザーの理念を理解すれば、そのようなこともなくなると思う。他人を思いやるには、まず、自分自身を大事にしてから。
日本教文社
マザー・テレサ 愛と祈りのことば (PHP文庫) マザー・テレサの真実 マザー・テレサ―あふれる愛 (講談社文庫) マザー・テレサの遺言 [DVD] マザー・テレサ日々のことば
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